Buddy Film「コップ・アウト 刑事した奴ら」


「コップ・アウト 刑事した奴ら」は、ルーザー達の友情を描くbuddy filmとして良品だ! ブルース・ウィルスはDH4に続き娘を男にもっていかれる寡夫がハマり役。しかも笠知衆ばりに娘を嫁にやるウェディングまである。傑作ではない良品がコンスタントに生まれるアメリカ映画は強すぎる。
悪役の「アジト」に潜入するシーンの演出についてだが、 凶悪な相手を前にして緊張感みなぎる形で忍び込むか、それともBuddy Film としての男達の絆と活躍ぶりを描くかで、カメラポジションの力点が変わってくる。前者は ”The Silence of the Lambs”, ”The Killing”, 後者は”Miami Vice”,”Hatari!”, 今作といったところ。 後者の場合、勝利はもう決まりきっているため、潜入捜査をbuddy たち(刑事)の背後から撮りサスペンス効果を高めようというより、「受け」のカメラ位置で、彼らの顔がはっきり見え、画面に位置づけることが重要になってくる。

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

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