Hee <火> 桃井かおり監督

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浜辺らしき強い日差しの道端で、ばしゃばしゃと水で素足を洗うワンピースの女。
男と別れ、家庭も崩壊し、その中途で人を一人や二人、殺しているのかもしれぬ。
ことの次第は、精神科医との対話の中で、少しずつ明らかになってゆくだろう。
狂っているのは、この役の女か、それとも桃井かおり自身なのか。
挿入される女のイラストが流麗で美しく、それが炎で燃えて消えてゆく描写もなんともエロチックだ。
それも桃井自身の手により描かれたという。  
新たに生まれつつある映画作家・桃井かおり自身の肉体がスクリーンにぶつけられている。
自身が狂いつつあるドキュメントと、自分のもつエロさを最大限作品に取り込もうという演出力。
脚本もほとんど1日で仕上げてしまったという桃井は、多くの刺激を体で受けとめ、一挙に吐き出す才能に長けている。
一筆書きの女は、熱く太く生きる、その鮮血の脈動を見るものにぶつけてくる。
そんな作品である。
http://hee-movie.com/
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3月 香港国際映画祭にて

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

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