「ダゲレオタイプの女」(黒沢清 2016)

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黒沢清監督初のフランス語作品「ダゲレオタイプの女」拝見。
初期写真技術の現像液の水銀と毒薬に身体を侵された人間たちが、半死半生の世界を漂い続ける。
フィルムの銀盤に身を委ねることは、死への彷徨なのか、永遠の生なのか。
人物たちが生きているのか、死んでいるのか、という基本的な問いだけで、胃が引きちぎれそうなサスペンスを演出してみせる黒沢さんの手腕に脱帽。
自分の理解できない言語のドラマを演出することによる、画面の乱れが皆無であることは、本当に信じ難い。
傑作!

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

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