(1941) 97 min
Raoul Walsh
James Cagney … T. L. ‘Biff’ Grimes
Olivia de Havilland … Amy Lind Grimes
Rita Hayworth … Virginia Brush
Alan Hale … William ‘Old Man’ Grimes
Jack Carson … Hugo F. Barnstead
編集に疲れ果てて、ふらふらとウォルシュの「いちごブロンド」のビデオを手に。
恥ずかしながら未見で、ウチにずっとビデオが転がっていたのだ。脚本も、批評も、編集もそうだが、アウトプットがずっと続くとある時点でもう何も出ない状態になる。そんな干涸らびた状態で、一抹の批判精神もなしにハリウッド黄金期の作品に耽溺するのは頽廃だろうか。
しかし、作品自体は文句なしにおもしろい。自分は誰がなんと言おうと、James Cagneyが大好きだということを再確認。幼なじみの切れ者で出世頭の男に騙され、人生を棒に振ってしまう短気な小男だが、それが憎めない。汚職の罪を全て押しつけられ、5年服役して出所し、セントラルパークで妻Amy (Olivia de Havilland) と再会するシーンの抑制のきいた表情には涙した。それまでブチ切れまくっていたshort-temperな彼が、そのシーンだけ落ち着きを払った別人になる。計算された演技であり、ウォルシュの演出なのだが、今これほど完璧に全体のドラマを構築して、一点集中で魅せきる演出力のある作家がいるだろうか。最初のデート(正確には悪役の幼なじみとRita Hayworthを含む4人のダブルデート、たばこの受け渡しだけですれ違いを生み出してしまう軽妙なギャグは素晴らしい)から、何度となくセントラルパークのベンチ(そこに必ず常に外灯を点ける男が現れる)で会い続ける男女を描いているのだから、ラストのシーンは脚本の構成美として片付けられるかもしれぬが、いやそうではない、Cagneyのテンションと情動に引っ張られ続けた我々は、ベンチに座ろうともせず、妻に近づこうともせず、ぼそぼそと心情を吐露するCagneyの冷静さに、おろおろと動揺するしかない。恐るべしJames Cagney.
2008年11月15日
I love this movie, one of my very favorite by Raoul Walsh.