吉田広明氏の大著「B級ノワール論 ハリウッド転換期の巨匠たち」を読んでいる。Anthony Mann は改めて偉大なのだ、と実感しつつ、1940年代の初期の作品について読み進めてみると、Republic Pictures, PRC(ウルマーが活躍した)、Eagle-Lion Films とB級映画独立製作会社ばかりを転々としていたことを知る。その中からT-Men、Desperate (死に物狂い、撮影はなんと12日!予算は1000ドル!)のような傑作が生まれたのだと。心底、敬服いたしました。Republic Pictures で撮影監督John Alton と出会い彼の元で「映画作りのコツ」を学んだり(Alton 談)、スタージェスの下について「サリヴァンの旅」(1941)撮影に携わったりと、低予算映画の闘争の渦中にあってこそ、後世決定的と思われる出会いがある。Mann については、いつかまとめたいと思っている。