パリで日本映画だけに特化した映画祭に参加してます。他には、大森監督の「ケンタとジュンとユカちゃんの国」など20本ばかり上映されてるのだが、中でも音楽家であり映像作家である高木正勝さんのドキュメンタリー『或る音楽』は出色ではないか?クエスチョンマークなのはまだ見ていないからで、しかし高木さんのピアノ&プロジェクションによるライブパフォーマンスを昨晩体験した身から言わせて貰うと、センスに疑いの余地無し。ショットの官能を捉える視点と、年齢からは想像できない熟達した力ある音(バレンボエムを思い出す)は圧倒的だった。
「谷中暮色」の上映では、やはりというか、谷中を知っているフランス人がこれだけ居るのか、と改めて驚く。若者は本を読まなさすぎる、幸田露伴も読んでいないのか、と劇中キャラクターを執拗に批判する人もいたのは新鮮だった。