とても気に入ったパリのメトロに乗って、今日はオルセー美術館へ。セザンヌも、ルノワールも、マネもいいが、実は発見だったのがミレーで、「落ち穂拾い」ぐらいしか知らなかったが、逆光で人々を捉えた農夫ものシリーズが美しいこと!写真撮影でいえば抑えを当てず逆光補正なしの人物の顔の影に、暗い前景、奥へ抜けの良い地平線が明るく広がっていて全体のコントラストの捉え方、センスが素晴らしい。
晩はパリでサバティカル中の廣瀬純さん、映画翻訳家・コーディネーターの小山内さんと会う。廣瀬さんの『糞論』は日々発展を遂げているそうで、めちゃ面白い。映画史上屈指の「風呂敷を拡げる力」のあるヴェンダースのここ10年の彷徨ぶりには嘆かずにはいられない、そして戦局が悪かろうとも少なからずゴダールに打ち勝つために映画を撮らねばならぬということで一致した。