釜山報告2022 Busan Trip 2022

ご報告が遅れましたが、釜山国際映画祭に行ってまいりました。

今回は、action4cinemaのシンポジウムに参加が目的で、映画も一本も見ることなく、華やかな映画祭会場は横目に、地味に会議室に真面目なお話がメインでした。

・KOFIC (韓国映画振興委員会)

・DGK(韓国映画監督協会)

・KIFV (韓国独立映画協会)

の監督や委員の方々と、韓日の労働環境や、持続可能な映画界のシステムづくりについて意見を交換しました。

日本側は、

日本映画監督協会より 本木克英監督・理事長、ジャン・ユンカーマン監督

action4cinema より 是枝裕和監督、西川美和監督、深田晃司監督、私舩橋淳、

芸能従事者協会より 森崎めぐみ他

が参加しました。

詳しくはこちらで、報道されています。https://www.tokyo-np.co.jp/article/207233

 

 

こう書くと堅苦しい感じがしますが、

最初少し話した時点で、司会を務めたDGK理事オ・ギファン監督が「私たちは同じ問題を共有する友だちになれると思う」とおっしゃり、密度の濃い、意味のある会談になりました。自分の仕事もあるけど、それ以上に映画界の問題にちゃんと向き合おうとする真摯な意思の持ち主が集まったと感じました。

個人的な感想としては、韓国よりも日本はだいぶ周回遅れだと感じてはいたけれど、韓国は韓国で様々な問題がいまなお内部で継続しており、「ハラスメントや労働時間の問題はなんとかなったが、それも全然カンペキではないし、さらにブラックリスト事件など他の問題も出てきている。決して全て解決することはなく、『闘いはシフトし続ける』。だから、映画と社会の問題に関わり続けることが大事だ」という姿勢に、心を打たれました。

誰かにおまかせではなく、自分たちでシステムを作りあげて常に修正してゆくのが生きた組織を生み出すのだなぁと。

 

また日中は、COMMUNITY BIFFという市民主導の映画上映活動を見学。市民が企画、予算は映画祭が出資で、1年前の映画祭作品を市民の投票で選び、釜山市内17箇所で上映するというもの。「市民が映画を楽しむ権利」というのを、あらゆる方向で充実させている文化都市釜山はすごいと感じました。

 

夜には映画祭らしく、パーティーや食事会もありました。3年ぶりに国外で映画祭の空気に触れるのは、嬉しかったです!

今回、始めた韓日の映画界の交流は、継続してゆこうと話しています。次回はぜひ東京でやりたいなぁと。

つづきます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

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