デリー4日目、最終日 

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あんなに気をつけていたのに腹をやられる。原因はチャイの茶葉を買い物したとき、店主に勧められたチャイティー。それにもめげず、晩には招待を受けたLatika家でのプライベートディナーへ。他はJean-Marc & Martine Therouanne夫妻(仏Vesoul 映画祭ディレクター)のみで、溝口、吉田喜重(Vesoul映画祭でレトロスペクティブを開かれたそう)の話で盛り上がる。部屋も廊下も玄関も天井まである本棚に埋め尽くされた、いかにもアカデミシャンの邸宅。カレーのおかわりにとキッチンへゆくと、一人書斎で机に向かっている男性が。いかにも学者肌というその人物、目があって話し始めると、Latikaの旦那で同様にFilm Studies の専門家だということ。二人はインドの国費留学生でソルボンヌ大学で出逢ったとか。仏語も流暢なので薄々感づいていたのだが、彼らのシネフィリー熱の源泉はやはりフランスだった!さらに驚いたのがこの旦那さんはインドのロッセリーニ研究における権威で、最近 傑作”India “についての本を書き下ろしたとのこと。東京からデリーへの機内で、私はこの作品(ロッセリーニの中で最も好きなものと断言できる)について思いを馳せていたのだが、こんな形で出逢うとは夢にも思わなかった。映画で世界は繋がってゆくのだということを実感した一夜。その後、空港へ直行。深夜便で東京へ発った。

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

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