Nickの赤

いま映画の講義を都内のあるところで週一回受け持っている。
次回はいつかやらねばと思っていたが、引き延ばしにしていたハリウッド50年代。先人の書を読み、オルドリッチ、マン、レイなどの作品を見直していると、簡単に数時間は経ってしまっていた。特に来年生誕100周年であり、今頃ベネチアで遺作”We Can’t Go Home Again”がプレミアされているNicholas Ray は、見直す度に勉強になる。まずNick の作品には、恐ろしいことにbad acting がない。メソッド・アクティングの「神」リー・ストラスバーグとNYUの教師仲間として意気投合したそうだが、それは全く理解できない。なぜなら私見だがNick の演出はメソッドアクティングとは、似て非なるものだからだ。いつかそれについては論考を書いてみたいと思う。
しかし、Nick 作品を見直してゆく作業は、傑作”Bigger Than Life” で打ち止めかと思いきや、”American Friend” に飛び火。Bruno Ganzが寝ているシーツや、カーテンが悉く真っ赤だったのは、Nick の赤だったのか、と今さら驚嘆した。

True To Yourself

Learning is finding out what you already know.
Doing is demonstrating that you know it.
Teaching is reminding others that they know it just as well as you.
We are all learners, doers, teachers.
Your only obligation in any lifetime is to be true to yourself.
Nicholas Ray

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

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