昨日、専修大学で王兵の傑作「鳳鳴(フォンミン)─中国の記憶」について講演しました。2007年山形でグランプリだったこの作品を今更語るまでもないとは思うが、50年代の反右派闘争、再教育キャンプを体験した和鳳鳴という婆さんの体験を、王兵は新作「溝」(今年後半公開予定だそう)でフィクション化している。制作途中にプロデューサーを3人クビにし、自分を押し通して作り上げたという伝説ばかりが一人歩きしているが、フィクションと言う言葉がゴビ砂漠で風化し、消失してしまったのではと思える迫真の出来とだけ言っておきたい。傑作。
お招き戴いた土屋昌明先生とは、次回FUKUSHIMAについて継続的に討議を続けてゆく予定。またお知らせします。