「8時間の恐怖」 鈴木清太郎

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77分  1957   日活   NFCにて
長距離移動のバスで起きる群像劇は、例えば清水宏「有難うさん」など いろいろ思いつくが、ステージコーチものがその発端なのだろうか。スクリーンプロセスを利用した車内撮影と、実際のバス内でのロケ撮影が混ざっているせいか、座席の奥行きが深くなったり、いやに浅くなったりするのが面白い。乗客が画面にひしめき合うように押し込められていたかと思うと、トラッキングショットにより奧まで各々が別々に座っていたり、また急患の赤ん坊が出たときなどバスの最奧部が座席が取り払われたかのようなオープンスペースとなり、元医者の護送犯が床で診察できたりする。
移動するバス内の空間が自在に伸縮するさまが、まさに鈴木清順の世界!

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

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