9.11.2013

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今日で911より12年が経つ。
そして311より2年半が経った。
両方を経験した僕にとり、「はたして世界は良い方向に向かっているのか」
という質問は、とても暗い響きを持っている。
911は、社会に”敵意”が満ち、国が戦争に向かうというのはこういう事なのか、という恐怖を体感した。
311では、天変地異の前での人間の無力さと、当たり前に消費してきた”電気”=文明が他人の犠牲の上で成立していて、その犠牲に対する落とし前は誰もつけない無責任社会に自分は生きているということを痛感させられた。
ともに、自分よりも遥かに大きい国や社会/集団に対しての絶望感を前に、途方に暮れる体験だった。
そして、社会インフラを消費し、税金を納め、(一国では)選挙権もある自分にも責任があるということを思い知らされる出来事だった。
だからこそ、日々の雑務から一歩引いてみて、「世界は良い方向に向かっているのか」という素朴な問いを、自分自身や隣にいる友人に投げかけてみるのは、大切なことじゃないだろうか。
このごろ、よくそう思います。

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

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