「息衝く」 

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2018 木村文洋監督

3.11後に確かに訪れているはずだが、はっきりとわからないこの国の変容に向けて、アクチュアルな映画言語を紡ごうとする作家の手つき。
何かを批判するわけではない。
この社会を覆う息苦しさに口を閉ざしてしまった子どもたち、目的対象がはっきりしない毎日にもがいている大人たちの群像を見事に活写している。
このぼやっとした空気を掬いとるキャメラ、大きな時代に向けた視線が素晴らしい。
日本は確実に貧しくなっている。
それに真摯に向き合う映画が生まれてきた。

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

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