【自己責任の社会でなく、本気でやり直したい人を支える社会へ】

今日はとても大切な日となりました。
人生のやり直し、セカンドチャンスができる社会にしたい、という思いから自社のお好み焼きチェーンで元受刑者の採用をはじめ、それがしだいに関西の企業7社での共同プロジェクトに、そしてさらに今や全国350社以上が連携する受刑者を積極採用する企業ネットワークとなった「日本財団 職親プロジェクト」代表の中井政嗣さんと、対談させていただきました!
北欧ノルウェーとスウェーデンの刑務所に視察へ行って来られたばかりで、まず第一に、日本の刑務所システムの(ほとんど軍隊的と行っても良い)懲罰主義をやめ、手厚い被害者への国家補償と、加害者のリハビリテーション(教育)に舵を切るべきだと、強くおっしゃっていました。
ノルウェーの再犯者率は20%。日本は50%。締め付け・管理ばかりの日本型システムは、世界では時代遅れとみなされており、それは再犯者率という数字で裏打ちされています。刑務所にいるときは、私語厳禁、四六時中ルールにがんじがらめ、自主性剥奪で、刑期が終わったら社会に放り出して、自分でなんとかしろという自己責任ではなくて、刑務所自体が刑期を終えるまでに社会性と、仕事と居場所(住まい)を整える準備施設とみなし、社会へのソフトランディングを国が責任行う、というシステムこそが求められている。
ノルウェーでは、刑事事件で被害が確定したら、被害者にまず国家が補償し(自動的に建て替え)、加害者が刑期を終えた後に支払い能力に応じて取り立ててゆく取立庁があるそうです。被害者は、取り返しのつかない被害への悲しみは消えないですが、金銭的補償は最低限、国家が責任もってやる。素晴らしいと思います。
そんな被害者支援が確立しているからこそ、加害した受刑者を、一人の人間としてちゃんと社会に戻すというコンセプトが成立している、というお話でした。
映画「過去負う者」で問いかける、社会がより寛容になるにはどうすれば良いか、というテーマに繋がっています。
本作の上映を、日本全国、そして世界に広げてゆくことで、この問題を考えるきっかけになってほしいと思っています。
中井会長も強く応援してくれています。(「個人的には、主演の久保寺淳さんがめちゃくちゃ良かった!」とのこと)
「本気でやり直したいと思っている人たちを、本気で支えるということが、ひいては社会を良くする。説得するんじゃない。自分たちで実績をコツコツ作っていけば、見ている人は見ている。少しずつ仲間が増える」とものすごい迫力でおっしゃっていました。
心より同意したのは言うまでもありません。
対談は、近々編集し、動画として発表します。
「過去負う者」を全国に広めるためのクラウドファンディング、残り11日となりました。
自己責任の息苦しさから離れ、より寛容な社会への呼び声となる映画にしてゆきたいです。
ぜひお手伝いください。
舩橋淳
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「過去負う者」クラファンサイト
Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

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