SHARING 篠崎誠監督 2014

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SHARING 篠崎誠監督
映画において、ショットにはそれぞれ全く異なる時間が流れており、所詮“共有した”心理というのは、同じ時空間に所属していない幻想に過ぎないという事実を、ある苛烈な傷みを持って見るものに突きつける映画、それがSHARINGである。
大学という無機質な空間が、突然ぐにゃりと曲がりはじめ、我々が立っている地面がぐらぐらと地殻変動を始める。映画を見る視線とは、どれだけ見えないフィクションの前提の上に立脚しているのか、篠崎監督は1ショットごとに暴いてみせる。過去なのか、現在なのか、未来なのか、ショットごとに時空を飛び越えるという、こんな画面の緊張を私は見たことが無い。我々は、果たしてこの映画が終わった時、ここに立っていられるのだろうか、見るものの意識の層を一枚一枚めくりとられ、その末に我々は何を見るのだろう。
 
それは世界の行く末、といっても言い過ぎではないラストが待っている。
恐るべきサイコサスペンスの誕生である。

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

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