「過去をめざす視線がとらえがたい現在の先端でぴたりと焦点をむすぶ演出は秀逸である。東京の街がなお魅力的な被写体たりうることを実証してみせた貴重な作品と断言したい。」
蓮實重彦(映画評論家)
「ドキュメンタリーとドラマと劇中劇が見事に溶け込んだ美しい映画。と くに普通の住民である演者加藤かつひろ、小川美代子の人生の重さが胸に刻まれる。あとを継ぐ若い世代は邪険にされても,振り切られても彼らを追いかけ なくてはならない。未来とはいつも、歩いて来た道の終わりからはじまるのだから。」
森まゆみ (作家、雑誌「谷根千」編集人)
「ノスタルジアで語られがちな谷中だが、住人たちは今と直面して苦闘している。この映画を観て、観光スポットとしての浅慮しかなかった自分の甘さを恥じた。」
澤井信一郎(映画監督)
「谷中のおじいさん、おばあさんの表情や仕草が最高。」
想田和弘(映画作家)
「観たあとにもそれぞれの個性豊かな人物が、しっかりと心の中に住んでいる」
福嶋真砂代 (ライター)
「小さな傑作。思考を刺激し、説得力のある、そして何度も心に迫る作品。日本版8ミリ『ニュー・シネマ・パラダイス』だ」
Neil Young, ハリウッド・レポーター
「自分の師匠を打ち倒すというタブーを犯して建てられた五重塔が、今日伝統と呼ばれるものとなり、老人たちが慈しむものとなる。世代間の対立と矛盾を見事に相対化した作品だ。」
Christoph Terhechte,
ベルリン国際映画祭プログラム・ディレクター
「異なるアプローチをミックスさせた、非の打ち所のない映像詩」
Von Heike Kuhn,
独フランクフルター・ルントシャウ紙
「この映画はアラン・レネを想起させる。」
Raymond Bellour, 仏TRAFIC 誌
「地域のきずな なき塔に 映画 『谷中暮色』監督に聞く」
朝日新聞2009年4月9日
「谷中五重塔 映画で再建」
東京新聞夕刊2009年4月7日
「この魔法のようなリアリズムと優雅さは衝撃だ。『谷中暮色』は凡庸なわかりきったことは語らない。多くの映画がドキュメンタリーとフィクションを混成するが、その二つの境界をこの映画ほど見事に超越したものはないし、目眩を覚えてしまうほどだ。終幕したとき、これが実在の場所へのオマージュなのか、実在の場所に想を得た重層的なフィクションなのか、それともそのフィクションによって緻密にかつ決定的に象られた現実の記録であるのか、見極めるのはもはや不可能である。」
クリス・フジワラ(映画批評家)
「ドキュメンタリー的に登場する地域の老人たちがプロの俳優さながらの存在感だ。 五重塔の跡地の地面が、なんともいえず美しい。」
田中朋子さん、書籍編集者
「静かに時が流れるその場所を是非訪れてみたくなりました。」
原朋子さん、TVディレクター
「フィルムはフィルムを呼び、人との出会いを呼ぶ。偶然とも見える、そうした時を超えたつながりの果てに、思いがけず滅びの輝きとともに立ち上がる奇跡を、わたしたちはもはや偶然ではなく、映画的必然と呼ばねばならないでしょう。」
篠儀直子、翻訳家
「ドキュメンタリーとフィクション、モノクロームとカラーを混在させ、突出した映像センスにより、ディレクターは社会を対照的に描写している。」
Annes Thomas, ドイツ誌 dw-world.de.
「抑制のきいた語り口で、今日の若者の日常を過去と融合させ、彼らが過去の中に自らを見出してゆくかのように魅了する」
Latika Padgaonkar,
インド最大の映画サイトDear Cinema.com
感動でハグする記者も!船橋淳監督『谷中暮色』ワールドプレミア開催!【第59回ベルリン国際映画祭】
シネマトゥデイ